第六十七章 高度自由社会(5)

組織の崩壊(家族の崩壊)が既に始まっている

組織の最小単位である家族も、利益追求を至上とする大組織である国家や会社もすべて、お金の量が組織の絆を繋ぐ力であると錯覚してしまう現代社会の様相です。
子が親を殺し、親が子を殺すという事件が頻発しています。
古今東西の歴史は、子が親を殺すような国は必ず滅亡することを証明しています。
親が子を育てることは、動物社会のみならず植物の世界においても大切な本能です。
植物がおしべとめしべにより交配し種子を作ることは、日常何処にでも見ることができる現象です。
種を保存する為に次世代の種子を産み出し育てることは、種にとって最も重要な課題であるわけです。
家族とは人間という種を存続させる為の大切な仕組みです。
では、日本人という種を存続発展させる責任を負っている日本社会は、その責任を果たせる状況にあるでしょうか。
大企業という拝金組織で無機質な仕事をして疲れて帰ってくる亭主に家族サービスを迫る女房。
学校という自己保身過剰の無責任組織で自由第一・平等第一という支離滅裂な自己主張ゆとり教育を受け、言いたい放題、やりたい放題のバカ息子・娘たち。
居場所の無い亭主は酒を飲みながら、勝っても負けても自分に何の関係もない野球やサッカーに夢中になっている。
家族のひとり一人が自分自身の存在意義を無意識のうちに感じ、無意識の中で役割を果たし、無意識の中で他者を労わることを当たり前の習慣として持ち合わせていた風景は現代社会には最早見られません。
拝金主義化により、金の有無が絆になってしまっている家族の崩壊が既に始まっている。
組織の最小単位である家族の崩壊は、企業、社会、国家の崩壊を確実に予兆しています。