第四十九章 これからやってくる社会(3)

拝金思想の変遷(2)

拝金主義を如実に表しているのが現在の新興宗教の氾濫でしょう。
雨後の筍のように新しい宗教が生まれ栄えますが、いずれも現世利益を謳って信者を集め、お金を集めています。
集金マシーンとしての宗教であり、神の教えを説くこととお金集めがイコールである状態は、お金が神様という現実を如実に表している。
しかし、見落としてはいけない点があります。
拝金主義は資本主義の末期的症状であり、人間の尊厳を貶める思想に他なりませんが、一方でそれは必然であるという事です。
中世社会は神が唯一絶対の存在価値であり、宗教が支配する社会です。
中世社会を否定する形で現れた近代社会は、お金儲けが最も重要であり、拝金思想が価値基準になるのは必然です。
近代社会が中世社会を否定したのは、宗教支配の矛盾が膨らみ、人々の不満の高まりによるものです。
翻って現代社会はどうでしょうか。
多くの人は依然気付いてはいませんが、資本主義思想は確実に疲弊しており、お金に振り回される現実に傷つき、何かおかしいと感じる人が着実に増えています。
今は中世末期と同じような状態にあるのです。
やがてこうした人々の新しい時代を求める動きが高まり、大きなエネルギーのうねりとなって、近代社会の終焉、そして新社会への移行へと導く筈です。
現代拝金主義社会は、新時代到来に際しての産みの苦しみであり、避けては通れない段階なのです。
我々がすべきことはこの点をよく認識した上で、表面的な事象に惑わされること無く、次の社会のあり方を描く必要があります。
「二十一世紀のイデオロギー」は、まさに待ったなしのテーマなのです。