第四十五章 新しいイデオロギーの構築(6)

新しい社会の在り方

東西冷戦は、資本主義思想が共産主義思想に勝利して終わりましたが、これは資本主義思想の崩壊をも意味します。
何故なら、先に述べたとおり、両思想は表裏関係にあり、並存してこそ存在意義があるからです。
片方が崩壊したということは、もう片方もいずれは同じ道を歩むことになります。
我々は近い将来、大きな社会変革の波に遭遇することになるでしょう。
しかし、これは二元論的発想の対立構造から脱皮する大きなチャンスでもあります。
従来の発想レベルを超えた高みに我々人類は到達することが必要であり、それを見つけるのが、「二十一世紀のイデオロギー」のテーマです。
具体的な方法として、まず組織のあり方を変えることです。
組織とは利益を生む原点であり、いかに上層部が効率的に多くの利益を獲得するかを主眼として形成されています。
その構造はピラミッド式であり、段階的に上から下へ搾取を繰り返し、底辺部が割りを食う仕組みになっています。
このピラミッドの持つ階層構造こそ差別の源泉であり、そうした垣根を抜本的に取り払う必要があります。
ピラミッド式階層を取り除いた後に現れるのは、自然界の動物のように、ボス(リーダー)を中心としたスクエアー(平方)型の社会でしょう。
そこではボス(リーダー)以外の構成員間に序列はありません。
ボス(リーダー)の力量によってその社会の浮沈が決定されます。
従い、そのボス(リーダー)の人選が非常に重要な社会です。
余談ですが、現代社会のリーダーたる政治家のレベルが低いことは周知の事実ですが、それでも大事に至らないのは、社会の基本構造がピラミッド式であるゆえ、彼らは利益追求にさえ長けているだけでよい、ということを如実に表している。
スクエアー社会のリーダーの人選に当たっては、「聖職者」がキーワードになります。
些か現在では死語と化した感のある言葉ですが、二十一世紀には真にその価値が必要とされるでしょう。
利益誘導を以って奴隷を支配していたのが従来のボス(リーダー)であるなら、己の人格・品格を以って社会をリードする覚悟を持った人物こそ、新しい社会のボス(リーダー)であり、聖職者と呼ぶにふさわしい人です。
勿論、我々はそんな超人の登場をいたずらに待っておればよい訳ではなく、個人個人がレベルアップして、その中からリーダーたる人物を輩出する土壌を形成せねばなりません。