第四十四章 新しいイデオロギーの構築(5)

税という概念

組織とは有形無形の利益を追求する目的のために形成されています。
我々が絶対に忘れてはならないのは、「国家という組織こそ最大の利益追求集団である」ということです。
国家における収入というのは税金です。
日本という国を企業に例えるなら、年間売上高40兆円(国家税収に相当)の超大企業であり、販売商品は各省庁や自治体から提供される財やサービスということになるでしょう。
その税の源泉というのは、紛れもなく我々民間で生み出された利益であるのです。
民間企業では、市場のニーズにマッチしていなければその商品が受け入れられないのは当然なのですが、日本国という企業は国家権力の下、我々から否応なしに、あらゆる手段を駆使して税を徴収し、利益の極大化を図ろうとしています。
我々国民が望むべくもない商品を押し付け、民間企業では考えられない無駄な経費まで使いまくる市場は、国権の下の独占状態と言えるでしょう。
つまり、我々自身も完全なる支配・被支配の構図の中にどっぷり浸かっているということに加え、税という概念は利益というものなくして存在し得ないものであるということをしっかりと認識しておかなければなりません。
結局のところ、利益と税は同質のものであり、利益という形で循環しているのが民間企業という組織であり、税という形で循環しているのが国家という組織であるだけなのです。
拝金主義を脱却し、利益や税の概念がない社会について、どんな青写真を描けるかが、二元論的発想に基づく対立から抜け出せるかどうかのポイントとなります。