第四十二章 新しいイデオロギーの構築(3)

利益追求のための組織(2)

蓄積の概念からさらに一歩踏み込んで、利子について考えてみたいと思います。
紀元前3世紀頃に書かれたと言われている旧約聖書の中に既に利子の概念があり、さらには、今から3500年前のモーゼの時代に、その戒めの中で利子という言葉もあります。
利子という考え方が、支配者側と被支配者側という二律背反要因の原点にあったことの証として、自分たちの仲間内では利子は取らないが、仲間でない者たちからは利子を取るという差別意識がその背景にあることです。
現代の高利貸し業である銀行でも、依然この考え方は残っています。
一般の者にお金を貸す場合は利子を取るが、自行員の場合は利子を取らない慣習が今でもあるのです。
“異邦人から利子を取ってもよいが、同胞からは利子を取ってはいけない”というモーゼの差別の教えが現代社会でも罷り通っているわけです。
しかし逆の面から見ると、利子の概念が人間社会の差別の源泉であるならば、利子をなくすことが出来れば対立構造もなくせると言えるのではないでしょうか。
勿論、口で言うのは簡単ですが、生半可なことでは成し遂げることなど叶いません。
お金儲け、つまり商売の原点は利子の概念から始まりました。
従って、お金儲けの原点は高利貸し業つまり銀行業にあったと言っても過言ではありません。
それ以来、経済活動はより多くの利子、利益を獲得するために組織化され、現代では企業という名の組織が利益追求のために激しい競争を繰り返しています。
利子をなくすとは利益追求をも止めるということであり、一般常識の大前提を崩すことに他なりません。
現代社会に生きている我々は、必ず何らかの組織にしかも複数所属して生活しています。
組織に依存して生きてきた我々は、知らず知らずの内に拝金主義思想に塗れてしまっています。