第三十九章 悲劇と発展の二十世紀(8)

新しい対立構造の解決に向けて

ベルリンの壁崩壊などにより、社会主義陣営が自滅して約20年経過しましたが、自由主義対啓蒙主義、アングロサクソン対ゲルマンという構図は、イラク戦争などへの対応において、今尚垣間見ることが出来ます。
現在、最も大きな問題は、自由主義陣営対イスラムを筆頭とする第三世界という対立の激化です。
社会主義崩壊の後、繁栄を謳歌する自由主義諸国は、自分たちが世界の主人であるかのように振る舞い、そうした繁栄の波に乗り遅れたグループの強い反発を買っています。
そこにはイスラム教対キリスト教という伝統的な宗教対立も含まれており、予断を許さない状況です。
我々は今こそ、従来の思想には、守備力重視の性格の裏返しとして、激しい攻撃性があることをよく認識し、そこを出発点として新しいイデオロギーを作る必要があります。
すなわち、外敵に象徴される対外部要因としての思想ではなく、自己防衛の意識、自己保存本能への執着をいかに少なくさせるかに重きをおいた思想が、二十一世紀を担うものとなるでしょう。