第二十二章 資本主義・社会主義の相克と盛衰(2)

帝国主義と民族解放運動、そして社会主義(2)

帝国主義の膨張を支えたのは資本主義経済の拡大です。
資本主義経済の下、蓄積された生産力と資本は、やがて金融資本と結びついて国際的な独占資本を形成し、さらにその発展を可能にする市場を求める動きが帝国主義的世界分轄の原動力となりました。
一方、帝国主義による植民地化を強いられた側においては、支配国の製品に市場を独占される以外にも、土地収奪や強制労働、徴兵などの負荷も課せられた結果、支配からの解放を求める運動が当然のことながら胎動を始めます。
やがてこうした民族解放運動は社会主義思想と結びつき、ロシアをはじめとするいくつかの国では社会主義思想が運動の思想的バックボーンとなり、その後の拡大を支えることになります。
そして、帝国主義自体もその綻びを見せ始めます。
列強による世界分轄がほぼ完了した20世紀初頭に、二つの特徴的な出来事がありました。
一つは、今の南アフリカで起きたボーア戦争です。
金鉱やダイヤモンド鉱山を有するこの国を直接統治することを狙ったイギリスは、軍隊を派遣したもののオランダ系移民の激しい抵抗に遭いました。
何とか鎮圧には成功したもののイギリスの威信はゆらぎ、帝国主義の崩壊の始まりとなります。
二つ目は、アメリカがスペインとの戦争により、キューバ・フィリピンを植民地として獲得したことです。
アメリカはいわゆるモンロー主義の下、ヨーロッパ大陸の動きには干渉しない、逆に干渉もさせない孤立主義をとってきましたが、時代の趨勢により遅ればせながら帝国主義による世界分轄競争に乗り出してきました。
これは世界の覇権が、イギリスからアメリカへと移行する流れの第一歩と捉えることが出来ます。