第十七章 資本主義・社会主義の創生と発展(1)

ルネッサンスから宗教改革へ

ルネッサンスは、ヨーロッパにおける中世から近代社会への移行を表す大きな運動ととらえるべき出来事ですが、その運動のもつ意味や、期間等については諸説意見が分かれるところです。
しかしながら、その本質はギリシャ・ローマ時代の古典の再発見などではなく、中世のキリスト教的精神性支配からの離脱、言い換えれば、人間が神の教えに盲従するのではなく、自らの判断で世界を切り開いて行ける、という意思と自信を再発見出来たところにある。
こうした精神性の開放は、従来絶対的なものとして崇拝されてきた、ローマカソリック教会のあり方に疑問を持つ人々の出現を促します。
ローマ教会の腐敗に対する民衆の不満が蓄積されてきた結果ゆえ、とも言えますが、ルターの唱えた「聖書に帰れ」という主張には、やはりルネッサンスの持つ一側面、原点回帰という思想がある。
宗教改革の結果として、カソリックとプロテスタントの間の激しい争い、宗教戦争が起こりますが、こうした負の側面はあるものの、教会の権力は次第に宗教界だけに限られるようになりました。
この過程において、キリスト教信仰が捨て去られた訳では決してありません。ポイントは世界の主人公が神から人間に替わったところにあります。