第三十五話 鉄破は正受老人

白隠和尚は この悪たれ小僧が 隣村からやって来たときに解っていた

この小僧の面影が 亡くなった師匠の正受老人に生きうつしだった

だが 小僧はそのことに当然気づいていなかった

白隠は悟った

この悪たれ小僧を 元の師匠に戻すのが自分の役目

そして鉄破と名づけた

武平との飯の盗み食いのおかげで 鉄破はついに正受に帰った

白隠和尚は これで自分の役目は終わったと言って 京都の妙心寺に移った

それから三年後 白隠は鉄破に見取られて昇天した

―白隠終わり―