第十七話 関白と白隠とお清

時の摂政関白近衛公が 三島原宿の白隠会いたさに立ち寄った

田子屋という旅篭で休息し その夜は本陣浮島邸に寄留した

田子屋には 次女のお清という稀な美人がいて白隠が可愛がっていた

そして白隠は本陣に出向き関白と一献交わした

そこで白隠は俗謡を謡った

田子屋の娘 姉は二十一 妹は二十 妹ほしさに御立ち願とって

近衛公は黙って旅の疲れが出たと言って寝床へ引き取った

関白の御不興を買ったとみんなが心配した

白隠が笑って言った

心配ない 関白は今夜大歓喜を得賜うのだ

翌日 関白は田子屋の主人に お清を貰い受けたいと申しいれした

みんなは玉の輿と大喜びしたが お清は辞退した

白隠は関白を気の毒に思い お清の木像を後日 京に送った

三島では白隠とお清はできていると噂が飛んだ

それを聞いた白隠は大きな口を開けて思いきり笑いこけた