Chapter 7 哲学の凋落を惹き起こした科学の欺瞞

“静止の暗闇と沈黙と無臭と無味と無触覚の絶対宇宙”から神の一撃で、“運動の光と音と匂いと味と肌触りの相対宇宙”が誕生した。
現代科学では、その瞬間(とき)をビッグバンと称し、その瞬間(とき)から「時間」がはじまったと云っています。
そして、
「時間」がはじまった瞬間(とき)、静止絶対宇宙から運動相対宇宙に変ったというわけです。
まさに、
ビッグバン直後に起こった、
唯一の力の中、
先ず、
重力が唯一の力から分化したのが1044分の1秒後。
そして、
次に、
強い力が唯一の力から分化したのが1036分の1秒後。
そして、
最後に、
弱い力と電磁気力が唯一の力から分化したのが1011分の1秒後。
そこで、
1044分の1秒が「時間」を刻む最小の単位となり、量子論の祖であるマックス・プランクを賞して「プランク時間」と呼ばれています。
つまり、
「時間」が誕生したのが、ビッグバンの1044分の1秒後だというわけです。
そして、
爾来、時間が刻まれ続けて137億年が経ったというわけです。
従って、
現代物理学の世界では、
ビッグバン以前の世界は、考慮しないことになっているわけです。
ところが、
ビッグバン以前の世界にも、唯一の力があったというわけです。
そこで、
ビッグバン前後の世界を比較してみましょう。
ビッグバン以前の世界では、
「時間」の概念がない。
唯一の力しかない。
ビッグバン以後の世界では、
「時間」の概念が生まれた。
唯一の力が四つの力に分化した。
このことは一体何を意味しているのでしょうか?
そこで、
ニュートンが発見した運動方程式を思い出してください。
F=mα
F=力、
mは質量
αは加速度
つまり、
mという質量にFという力が加わるとαという加速度が生じて動きはじめるというわけです。
そして、
α(acceleration)という加速度はV(velocity)という速度を時間t(time)で微分したものです。
つまり、
dV/dt=αというわけです。
そして、
V(velocity)という速度はL(length)という距離を時間t(time)で微分したものです。
つまり、
dL/dt=Vというわけです。
まさに、
「時間」の概念が生まれ、
唯一の力が四つの力に分化した、
ビッグバン以後の世界とは、運動宇宙ということになります。
そうしますと、
「時間」の概念がない、
唯一の力しかない、
ビッグバン以前の世界とは、静止宇宙ということになります。
つまり、
現代物理学の世界では、
運動宇宙しか取り扱わないというわけです。
逆に言えば、
静止宇宙は物理学の範疇ではないというわけです。
そして、
その境界点が特異点というわけです。
つまり、
ビッグバンと1044分の1秒の間の空白が特異点というわけです。
まさに、
間が点というわけです。
まさに、
科学の限界がここにあります。
まさに、
“静止の暗闇と沈黙と無臭と無味と無触覚の絶対宇宙”
と、
“運動の光と音と匂いと味と肌触りの相対宇宙”
の間の空白を如何に埋めるか。
そこで、
現代物理学は、
唯一の力の世界に回帰するために、
弱い力と電磁気力を統一することに成功したと云います。
つまり、
統一理論です。
そして、
弱い力、電磁気力に、強い力を統一するのは間近だと云います。
つまり、
大統一理論です。
ところが、
弱い力、電磁気力、強い力に重力を統一するのはほぼ不可能だと云います。
この事実は一体何を意味しているのでしょうか?
つまり、
ビッグバンと1044分の1秒の間の空白を埋めるどころか、
1011分の1秒後から1036分の1秒後の間を埋めることは、何とかできそうだが、
1036分の1秒後から1044分の1秒後の間を埋めることは、ほぼ不可能だと云うわけです。
では、
なぜ1044分の1秒という時間がわかったのか?
科学の欺瞞性がここにあるように思えてなりません。
言い換えれば、
科学の欺瞞性が哲学の凋落を惹起したように思えてなりません。
従って、
1036分の1秒後から1044分の1秒後の間を埋め、
更には、
ビッグバンと1044分の1秒の間の空白を埋め、
更には、
ビッグバン以前とビッグバン以後の空白を埋める、
つまり、
“静止の暗闇と沈黙と無臭と無味と無触覚の絶対宇宙”
と、
“運動の光と音と匂いと味と肌触りの相対宇宙”
の間の空白を埋めるのは、
現代物理学ではなく、現代哲学しかないと思うのです。