Chapter 40 “自分”の正体

光の速度は秒速300、000キロメートルという有限速度である。
つまり、
光の速度は無限速度ではない。
従って、
見えるものはすべて映像である、
つまり、
見えるものは実在しない。
逆に言えば、
見えないものが実在である。
そして、
音の速度は秒速340メートルという有限速度である。
つまり、
音の速度は無限速度ではない。
従って、
聞こえるものは実在しない。
逆に言えば、
聞こえないものが実在である。
そして、
匂いの速度は秒速1メートルという有限速度である。
つまり、
匂いの速度は無限速度ではない。
従って、
匂えるものは実在しない。
逆に言えば、
匂えないものが実在である。
そして、
味の速度は秒速10ミリメートルという有限速度である。
つまり、
味の速度は無限速度ではない。
従って、
味えるものは実在しない。
逆に言えば、
味えないものが実在である。
そして、
触覚の速度は秒速10センチメートルという有限速度である。
つまり、
触覚の速度は無限速度ではない。
従って、
触れるものは実在しない。
逆に言えば、
触れないものが実在である。
従って、
見えるものは実在しないから、見る者も実在しません。
聞えるものは実在しないから、聞く者も実在しません。
匂えるものは実在しないから、匂う者も実在しません。
味えるものは実在しないから、味う者も実在しません。
触れるものは実在しないから、触る者も実在しません。
では、
見る者、
聞く者、
匂う者、
味う者、
触る者、
とは一体何者でしょうか?
まさに、
“自分”こそが、
見る者、
聞く者、
匂う者、
味う者、
触る者、
の正体に他なりません。
そうしますと、
見る“自分”も実在しないことになります。
聞く“自分”も実在しないことになります。
匂う“自分”も実在しないことになります。
味う“自分”も実在しないことになります。
触る“自分”も実在しないことになります。
まさに、
人間が“自分”と思っている者など実在しないのです。