第十九話 不安な日々【時刻:2023年3月19日午前0時31分】

お父さんが、また昔のデビルに戻ってしまったようです。
その原因は、「鬼神」という本を書いているからですが、もうまもなく書き上げるようです。
自叙伝を書いているのかと思っていたのですが、どうやらそうでないようです。
後世の人たちに対する遺言のつもりで書いているのです。
「お父さんのつくった、『鬼の掟十七条』の勉強はどうなったの?」
そう訊きました。
「お父さんが『鬼神』を世に出すまでは、暫くお休みにしておきなさい。もうすぐ書き上げるから、お父さんの傍にいて、じっとお父さんの様子を見ていればいいんだ・・・」
そう言うだけです。
でも最近のお父さんは、冬子の思っていたお父さんではないんです。
「以前にも、お父さんの意識であるカミが、冬子の意識であるテンシと意見の食い違いから、よく喧嘩をしていたが、それだけ冬子の中にテンシの占める割合が大きくなってきた証拠だよ!」
そう言って笑うだけです。
わたしは、冬子であればいいんです。
テンシなんて、わたしには関係ありません。
だけど、お父さんが言ってたように、わたしの体の中で、どうしようもない大きなものが動いているのです。
多分、それがテンシという意識なのでしょう。
お父さんが、変わったと言いましたが、わたしも大きく変わって行きそうな感じがしています。
これから、どうなっていくのでしょうか、冬子はとても不安です。