第十章 前の鏡 & 後ろの鏡

健康と病気の問題は客観性の問題である。
金持ちと貧乏の問題も客観性の問題である。
そこで、
客観性の問題とは、
他人という外なる鏡で観る相対性の問題のことです。
平たく言えば、
自分が、他人の鏡(外の鏡)に映ることによって、はじめて、自分の姿を観ることができることを相対性というわけです。
ところが、
他人の鏡(外の鏡)では、自分と自分の映像は逆さまになっているところが鍵なのです。
つまり、
健康と病気が逆さまに観える。
だから、
実在の病気が悪く、実在の不在概念の健康が好いことになるわけです。
実在の貧乏が悪く、実在の不在概念の金持ちが好いことになるわけです。
一方、
幸福と不幸は主観性の問題である。
そこで、
主観性の問題とは、
自己の内なる鏡で観る絶対性の問題のことです。
平たく言えば、
自分が、自分の鏡(内なる鏡)に映ることによって、自分の姿を観ることができることを絶対性というわけです。
ところが、
自分の鏡(内なる鏡)では、自分と自分の映像は順さまになっているところが鍵なのです。
だから、
実在の不幸が好く、実在の不在概念である幸福が悪いことになるわけです。
ところが、
わたしたち人間は、
実在の不幸が悪く、実在の不在概念の幸福が好いと思い込んでいます。
ここに謎がある。
実は、
幸福と不幸は、主観性ではなく、客観性の客観性=主観性に他ならなかったのです。
まさに、
他者の鏡(外の鏡)が自分の前と後ろに二つあって、
健康と病気や、金持ちと貧乏は、自分の前の鏡に逆さまに映っているのに対して、
幸福と不幸は、自分の後ろの鏡に順さまに映っているのです。
まさに、
幸福と不幸は、客観性の客観性=主観性に映っていたのです。
だから、
幸福が実在するもので、幸福の不在概念が不幸だと錯覚していたのです。
言い換えれば、
幸福でない状態が不幸であると錯覚していたのです。