第二百四十話 差別・不条理・戦争は自然現象

政治学、経済学、社会学、歴史学を人文科学と言うのに対して、天文学、物理学、化学、地学(地球学)、生物学などを自然科学と言います。
要するに、
人間社会だけにある現象を扱ったものが人文科学であり、人間社会をも包含した自然社会の現象を扱ったものが自然科学と言うわけです。
差別・不条理・戦争は人間社会だけにある現象ですから、人文科学で解決できると言うわけです。
「オス社会」を頂点にして、「宗教と科学」と「支配・被支配二層構造と世襲・相続の差別社会」で底辺を構成するトライアングルが、人類に文明社会をもたらした結果、差別・不条理・戦争の社会が生まれたことを、わたしたち人間(どぶねずみ人間)が理解していないからです。
つまり、
自然社会と人間社会の決定的な違いは、「メス社会」か「オス社会」の違いにあります。
人間も自然社会の一員ですから、「オス社会」は「メス社会」から生まれたわけです。
言い換えれば、
人間社会だけの「概念の世界」も、自然社会の「観念の世界」から生まれたわけです。
差別・不条理・戦争の問題も、表面的には人間社会だけにある問題ですから、政治学、経済学、社会学、歴史学といった人文科学で解決できるように思えるわけですが、差別・不条理・戦争の根本的原因は、「オス社会」を頂点にして、「宗教と科学」と「支配・被支配二層構造と世襲・相続の差別社会」で底辺を構成するトライアングル構造の文明社会にあるわけで、突き詰めれば、自然社会の「メス社会」から人間社会だけの「オス社会」の変遷にあるわけで、これは自然現象、つまり、自然科学で扱わなければならない問題なのです。
差別・不条理・戦争を生んだ犯人は「宗教と科学」であり、「宗教と科学」を生んだ犯人は「支配・被支配二層構造と世襲・相続の差別制度」であり、「支配・被支配二層構造と世襲・相続の差別制度」を生んだ犯人は「オス社会」であり、「オス社会」を生んだ犯人は「メス社会」である自然社会の中で最も弱き生きもの・人類にあったことを理解しなければなりません。
「メス社会」の「自然社会」では、オスの役割は「子種の提供」と「外敵からの防衛」です。
最も弱き生きもの・人類にとって、「外敵からの防衛」が最大の課題であり、強い防衛長官が必要だった。
そのため、子供を産むメスは強いオスを求める結果、防衛長官を選ぶ。
一見、ボスと勘違いしますが、実は防衛長官に過ぎない。
これは、人類のみならず他の生きものの世界でも共通する点ですが、最も弱き生きもの・人類にとっては生き残りの最大課題であったため、防衛長官が国家元首になってしまった。
「オス社会」の誕生です。
つまり、
「オス社会」の現象は、最も弱き生きものが辿る運命の自然現象だったのです。
差別・不条理・戦争が、政治学、経済学、社会学、歴史学といった人文科学で解決できない理由がここにあるのです。