第九十一話 人類の究極の命題

シマウマ(哺乳動物)がライオン(哺乳動物)に食われるのは、自然の食物連鎖のランクがライオン(哺乳動物)よりシマウマ(哺乳動物)の方が低いからです。
草(植物)がシマウマ(哺乳動物)に食われるのは、自然の食物連鎖のランクがシマウマ(哺乳動物)より草(植物)の方が低いからです。
土(鉱物)が草(植物)に食われるのは、自然の食物連鎖のランクが草(植物)より土(鉱物)の方が低いからです。
ランクの一番高いライオン(哺乳動物)がランクの一番低い土(鉱物)に食われるのは、連鎖の法則、言い換えれば、円回帰運動に則しているからです。
円回帰運動とは、始点が終点になる、つまり、一番がビリになる法則ですから、ランクの一番低い土(鉱物)が一番高いランクになる、つまり、土(鉱物)こそランクの一番高い地球に外ならないのです。
ライオン(哺乳動物)とシマウマ(哺乳動物)と草(植物)と土(鉱物)を例にして説明しましたが、ライオンの代わりに最上位のランクに位置する人類(哺乳動物霊長類)に置き替えても同じことが言えます。
つまり、いくら最上位のランクに位置する人類(哺乳動物霊長類)でも、最下位のランクの土(鉱物)、つまり、ランクの一番高い地球には絶対に勝てないのです。
動物・植物・鉱物の中での最上位である人類(哺乳動物霊長類)も、それらを包摂した全体である地球は別格のランクなのです。
全体の地球に対して、いくら人類(哺乳動物霊長類)といえども所詮は一構成員(部分)に過ぎないのです。
だから、わたしたち人間も死ねば母なる大地・地球、つまり、土に戻るしかないのです。
結局の処、いくら人類(哺乳動物霊長類)が地上最強の生き物であっても、それは自然の食物連鎖の法則の中での話であり、自然の食物連鎖の法則は部分観の世界だけに通用するもので、全体感の世界では、最上位の人類(哺乳動物霊長類)も最下位の土(鉱物)も差(違い)など一切なく、あるのは、全体の地球に従う道だけです。
他の生き物たちはそのことを重々承知しているのに、わたしたち人類(哺乳動物霊長類)だけが、何もわかっていないのです。
その理由は、わたしたち人類(哺乳動物霊長類)だけが覚醒していない、悟っていないからです。
その理由は、わたしたち人類(哺乳動物霊長類)だけが意識が眠っているからです。
その理由は、わたしたち人類(哺乳動物霊長類)だけが五感が完全に機能していないからです。
その理由は、わたしたち人類(哺乳動物霊長類)だけが『今、ここ』を生き切っていないからです。
その理由は、わたしたち人類(哺乳動物霊長類)だけが『過去・(現在)・未来』に思いを馳せているからです。
その理由は、わたしたち人類(哺乳動物霊長類)だけが過去を悔やみ、未来を取り越し苦労しているからです。
その理由は、わたしたち人類(哺乳動物霊長類)だけが人生を悩み、四苦八苦しているからです。
その理由は、わたしたち人類(哺乳動物霊長類)だけが「死の概念」を持ちながら、「死の理解」をしていないからです。
その理由は、わたしたち人類(哺乳動物霊長類)だけが死ぬことを怖がっているからです。
覚醒していない、悟っていない、何もわかっていないわたしたち人類(哺乳動物霊長類)が覚醒するには、悟るには、わかるには、死ぬことを怖がらないようになるしか道はありません。
結局の処は、知性ある生き物にとって究極の命題は「死の理解」にあるのです。