第八十三話 “自分は間違っていたのでは?”

(個別)顕在意識が(個別)潜在意識を押し込めて潜在能力を発揮させないでいると主張する心理学とは一体何なのか?
わたしたち人間が図らずも得た知性とは一体何なのか。
知性が自我意識(エゴ)の発生原因に外ならず、自我意識(エゴ)の発生が錯覚(勘違い)を誘発し、錯覚(勘違い)が悩み・四苦八苦の人生を誘導してきた。
人間が思い込んでいることはすべて錯覚(勘違い)だった。
一体誰がいつそんな錯覚(勘違い)の道に誘導したのか。
宗教や科学がその張本人であることは間違いない。
なぜなら、それらは知性の産物に外ならないからです。
人間社会にあって自然社会に無いものは、すべて知性の産物です。
宗教も科学もその発生動機は、支配・被支配二層構造と世襲・相続の差別社会の確立にあったことは何度もお話しました。
支配・被支配二層構造と世襲・相続の差別制度も、人間社会だけにあって自然社会にはありません。
ライオンや猿のボスは決して世襲制で決まりません。
腕力の強さで決まります。
また、ライオンや猿のボスは支配者ではなく、外敵からグループを守る防衛長官に過ぎず、狩りをするメスライオンが大蔵大臣であり、それぞれが役割分担をするだけで、決して支配・被支配二層構造の社会を構成していません。
従って、支配・被支配二層構造と世襲・相続の差別制度も知性の産物です。
自然社会(エデンの園)で最も弱き生き物であったゆえに、危険を逸速く察知して難を逃れるという消極的自己防衛策が、頭の位置を高くして目線を上げることに気づいた結果二本足歩行生活に移行していったのです。
目線を上げる能力は霊長類だけにある特徴です。
すなわち、猿から猿人(アウストラロピテクス)に進化した500万年前から、猿人(アウストラロピテクス)から原人(ホモエレクトス=立つ人)に進化した50万年前の間の出来事であります。
目線を上げる→四本足歩行生活から二本足歩行生活→頭の位置を上げることで脳の成長を促す→知性・知力(考える能力)という新しい武器に気づく→最も弱き生き物が最も強き生き物(地上の覇者)になる→外敵がいなくなったため内敵をつくる(覇権争い発生)→オスによるボスの誕生(防衛長官が総理大臣になる)→人間社会だけにオス社会が誕生→オス社会確立のための方策として支配・被支配二層構造と世襲・相続の差別制度が生まれる→支配・被支配二層構造と世襲・相続の差別制度をより強化・強固のものにするために従来あった自己防衛のための自然崇拝信仰を歪曲させた宗教が誕生(古代・中世社会の出現)→強くなり過ぎた宗教からの脱却を図って科学が誕生(近代社会の出現)→強くなり過ぎた科学が遂にグローバルな(地球規模の)危機を呼び込んだ(現代社会)。
いずれにしても、二十一世紀はそんな錯覚(勘違い)からの脱却の世紀にしなければなりません。
そのためには、わたしたち人間は今までの人間だけの常識を先ず打破しなければならないのです。
錯覚(勘違い)から脱却する第一歩は、“自分は間違っていたのでは?”とわたしたちひとり一人が先ず自問することです。