第六話 心の正体

『自分は・・・』と思う(考える)自我意識、つまり、『エゴ』という「心」や「魂」や「霊」や「精神」があるから、悩みや苦労が生まれます。
『自分は・・・』と思わない(考えない)他の生き物には、悩みや苦労など無縁です。
『今、ここ』を生きていると、『自分は・・・』と思う(考える)自我意識、つまり、『エゴ』という「心」や「魂」や「霊」や「精神」は消えてしまうからです。
わたしたち人間は、『自分は・・・』と思う(考える)ことを当然のことのように思って(考えて)いますが、実は違います。
生まれた直後からの記憶がないのがその証拠です。
せいぜい5才頃以降の記憶はあるが、それ以前はまったく憶えていない筈です。
『自分は・・・』と思う(考える)自我意識、つまり、『エゴ』という「心」や「魂」や「霊」や「精神」が生まれた結果、『自分は・・・』の記憶があるわけで、記憶のないそれ以前は、『自分は・・・』と思って(考えて)いなかったのです。
5才頃以前の人間の子供は、みんな『自分は・・・』なんて思わない(考えない)で生きているし、他の生き物は『自分は・・・』なんて一生思わない(考えない)で生きているのです。
だから、彼らには(自他の)差別意識がまったくありません。
『自分は・・・』と思う(考える)自我意識、つまり、『エゴ』という「心」や「魂」や「霊」や「精神」が自他の区分けをする張本人であります。
『自分は・・・』と思う(考える)自我意識、つまり、『エゴ』という「心」や「魂」や「霊」や「精神」が自分と他人の区分けをし、自分を都合の好い側に置き、他人を都合の悪い側に置き、挙句の果てに、平気で差別をし、平気で不条理なことをし、平気で戦争をしても、『自分は・・・正しい』と信じ込んでいるのですが、厳密に言えば、信じ込ませている、思い込ませている、考えているのです。
“自分が善くて、他人が悪い!”
だから差別・不条理そして戦争が発生する。
“自分の家族が善くて、他人の家族が悪い!”
だから差別・不条理そして戦争が発生する。
“自分の会社が善くて、他人の会社が悪い!”
だから差別・不条理そして戦争が発生する。
“自分の社会が善くて、他人の社会が悪い!”
だから差別・不条理そして戦争が発生する。
“自分の国が善くて、他人の国が悪い!”
だから差別・不条理そして戦争が発生する。
“自分の宗教が善くて、他人の宗教が悪い!”
だから差別・不条理そして戦争が発生する。
自他の間に善悪の判断をする。
この二つの区分けが差別・不条理そして戦争を発生させるのです。
自他の区分け。
善悪の区分け。
『自分は・・・』と思う(考える)自我意識、つまり、『エゴ』という「心」や「魂」や「霊」や「精神」が自分と他人の間に区分けをする。
これがわたしたち人間の持っている最大の問題であるわけで、先ず、自他の区分けをして、更に、自分を都合の好い側に置くために、他人を無理やり都合の悪い側に置くことによって、善悪の区分けをし、挙句の果てに、差別・不条理・戦争までしでかすわけです。
『自分は・・・』と思う(考える)のは、『過去・現在・未来』に想いを馳せるからであり、『今、ここ』を生きていれば、『自分は・・・』は消えてしまうのです。