第五十六話 宗教と科学

古代・中世では宗教が演じたことを、近代・現代では科学が演じているだけのことで、宗教も科学も同じ穴の狢であって、被支配者、つまり、一般大衆を盲信させることが狙いなのです。
古代・中世では立憲君主制であったのが、近代・現代の人間社会では民主主義の共和制になっても、「支配・被支配二層構造」と「世襲・相続の差別制度」に何ら変わりはないのと同じです。
況んや、現代でも立憲君主制の国家があり、日本もその化石的国家の一つです。
宗教が権力を持った中世に対するアンチテーゼとして近代社会の担い手・科学が誕生した。
アンチテーゼとは二律背反と同義語ですから、宗教と科学は二元要因に外ならない。
間違った「二元論」は二元要因を二律背反、つまり、アンチテーゼと捉えます。
正しい「二元論」は二元要因を補完要因、つまり、プロテーゼと捉えます。
何れにしても、宗教と科学はコインの裏表の関係に過ぎません。
宗教と政治がやはりコインの裏表の関係であり、嘗ては「祭政一致」というプロテーゼの時代もあり、その反動で、「政教分離」というアンチテーゼの時代もあるように、要するに、二元要因に変わりはない。
近代・現代では、政治と宗教、科学と宗教は、一見、相容れない同士のように思われ勝ちですが、実は、みんな同じ穴の狢だったのです。
この落とし穴を埋めることが、二十一世紀に登場する「新しい人間」の責務なのです。