第十六話 時間こそが元凶

わたしたち人間だけにある悩みや苦労が、延いては、人間社会だけにある差別・不条理を惹き起こし、挙句の果てに、戦争までしでかすわけです。
地球温暖化問題の元凶が人間にあるのは明らかであり、それは人間だけが持つ知性・理性が成熟していない結果、知識重視の科学が冒した罪的側面です。
結局は、個人の問題である悩みや苦労を、自他を区分けする結果生まれた家族・社会・会社・国家といった組織の概念にまで及ぼしたのが、いわゆる世の中の差別・不条理、そして、挙句の果ての戦争であるわけです。
『自分は・・・』という発想が、『自分は好くて、他人は悪い』という発想を更に生む結果、自分と他人の世界を一緒と思い、悩みや苦労を生み、挙句の果てに、差別・不条理・戦争の組織、つまり、人間社会をつくってしまったのです。
フランスの哲学者、ジャン・ポール・サルトルが看破した、「他人の存在が地獄を生む・・・」は、まさに自他の区分けが原因なのです。
結局は、『過去・(現在)・未来』に想いを馳せた結果、生じた脅迫観念が、『自分は好くて、他人は悪い』という発想を生み、自分と他人の世界を一緒と思い、悩みや苦労を生み、挙句の果てに、差別・不条理・戦争の組織、つまり、人間社会をつくってしまったのです。
『今、ここ』を生きれば、『過去・(現在)・未来』に想いを馳せず、『自分は・・・』という発想も生まれず、自分と他人の世界は一緒でなく、実在するのは『今、ここ』の自分だけで、他人の世界は過去の出来事を再生した動画像(映像)であることを知り、悩みや苦労のない、差別・不条理・戦争のない人間社会をつくることができるのです。
時間の概念こそが、この錯覚を起こさせる張本人であるのです。