彼女の返事

横浜は青春

大阪は生まれた処
だけど青春は横浜にある
出会った人は多いけど
芽生えた青春は横浜にある
横浜の町には思い出はない
だけど横浜での出来事は青春の思い出
あの人は横浜の人ではない
だけど横浜があの人を思い出させてくれる
青春とは場所でも時でもない
自分の心の輝く場所
それを映してくれる横浜が
やはりわたしの青春


軍司の返事の手紙は、艶子からの手紙が届いた日に投函した。
それから、三日後に彼女から、もう一通手紙が届いた。
「軍司 様
ああ、あなたに怨みの手紙を書くなんて、わたしは何て馬鹿な女の子だったんでしょう。
あなたからの手紙を何度も読み返しました。
わたしよりずっとかわいそうなあなた。
手紙を読み返す度に涙があなたの手紙に落ちて、染みてしまいます。
できることなら、わたしの胸の中で思う存分泣かせてあげたい
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あなたの深い思いやりも理解出来ずにごめんなさい。
もうわたしは、今日から元気に生きてゆけます。
わたしの就職先が決まりました。板橋身体障害者の学校です。
わたしの夢は、チイチイパッパです。さようなら。艶子」
寮の同室のゴリチビこと松本博に聞いた。
「おい、ゴリチビ。チイチイパッパてどういう意味や?」
彼は雑学博士だから、聞いてみたのだ。
「チイチイパッパ?何やそれは?」
「分からへんから、聞いてんや」
軍司が苛立って聞くと、考えていた。
「チイチイパッパて幼稚園とか保育園で、教えている、あの歌やないか!」
それで軍司は理解した。
「彼女は先生になるんだ」