第三十章 悩み多き文明社会

貧乏人が偽善者であり、金持ちが偽悪者なのである。
不幸な人が偽善者であり、幸福な人が偽悪者なのである。
ところが、
いわゆる現実の人間社会では、
金持ちが偽善ぶって、貧乏人が悪ぶっている。
ところが、
いわゆる現実の人間社会では、
幸福な人が偽善ぶって、不幸な人が悪ぶっている。
まさに、
われわれ文明人は、求めていないものを求め、求めているものを求めないで生きている、逆さま人間に他ならない証明である。