第六十八章 記憶

我々の記憶は、自分が生まれた直後まで遡ることができない。
だから、
朝眠りの中の夢から覚めた瞬間(とき)直前まである記憶が薄れていくのである。
また、
夜眠りに就く瞬間(とき)直後まである記憶が薄れていくのである。
だから、
我々の記憶は、自分が死ぬ直前まで維持することができない。
従って、
逆に言えば、
朝眠りの中の夢から覚めた瞬間(とき)直前まである記憶が薄れないようにすればいいのである。
そうすれば、
我々の記憶は、自分が生まれた直後まで遡ることができるのである。
また、
夜眠りに就く瞬間(とき)直後まである記憶が薄れないようにすればいいのである。
そうすれば、
我々の記憶は、自分が死ぬ直前まで維持することができるのである。
結局の処、
超対性の死(極(pole)=0π(0度))=完全(完璧)な死=いわゆる誕生
および、
超対性の死(極(pole)=2π(360度))=完全(完璧)な死=いわゆる死
が欠落している原因がここにある。
言い換えれば、
我々人間の一生が、円回帰運動ではなく、振り子運動になっている原因が、ここにある。
更に言い換えれば、
我々人間の一生が、錯覚の人生、逆さまの人生になっている原因が、ここにある。
更に言い換えれば、
死を知った(知性を得た)我々人間だけにある、
“生が好くて、死が悪い”という区分け(差別)意識が生まれた原因。
そして、
“善が好くて、悪が悪い”という区分け(差別)意識が生まれた原因。
“オスが好くて、メスが悪い”という区分け(差別)意識が生まれた原因。
“強が好くて、弱が悪い”という区分け(差別)意識が生まれた原因。
“賢が好くて、愚が悪い”という区分け(差別)意識が生まれた原因。
“富が好くて、貧が悪い”という区分け(差別)意識が生まれた原因。
“幸福が好くて、不幸が悪い”という区分け(差別)意識が生まれた原因。
“天国が好くて、地獄が悪い”という区分け(差別)意識が生まれた原因。
“神が好くて、悪魔が悪い”という区分け(差別)意識が生まれた原因。
“健康が好くて、病気が悪い”という区分け(差別)意識が生まれた原因。
“支配者が好くて、被支配者が悪い”という区分け(差別)意識が生まれた原因。
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また、
支配・被支配二層構造の世襲・相続の差別社会になった原因。
悩みや四苦八苦、挙句の果ての、死の恐怖に苛まれる社会になった原因。
差別・不条理・戦争を繰り返す社会になった原因。
がここにある。