第五十四章 光と暗闇

止まっている(静止している)ものが実在するのであって、実在するものは見えないのである。
動いている(運動している)ものは実在しないのであって、実在しないものが見える、つまり、映像である。
これは一体何を意味しているのか?
暗闇が実在するのであって、光は暗闇の不在概念に過ぎないことを意味しているのである。
ところが、
我々人間は、
光が実在するのであって、暗闇は光の不在概念と捉えてきた。
だから、
我々人間は、
幸福が実在するのであって、不幸は幸福の不在概念と捉えてきた。
その結果、
我々人間は、
“幸福が好くて、不幸が悪い”という好いとこ取りの相対一元論に嵌ってしまったのである。
ところが、
止まっている(静止している)ものが実在するのであって、実在するものは見えないのである。
動いている(運動している)ものは実在しないのであって、実在しないものが見える、つまり、映像である。
まさに、
我々人間は、逆さまに観てきたのである。
結局の処、
見える世界が非現実の映像の世界だったのである。
見えない世界が現実の実在の世界だったのである。