第八章 「想い」のレベル

ちょっと 話は戻りますが わたしたち「想い」はイシキ、ギンガ、ヒカリ、ミズ、クウ、そして わたしが カミ という名前だと申しあげました。
それぞれの「想い」が住む世界は移動する世界で、渦状に回転しながら渦の中心に辿るとそこから表面に再び浮きあがるとも申しあげました。
そのときの移動スピードが「想い」のレベルによって違うのです。
曾祖父のイシキは光の17兆倍のスピードで一日一回150億光年の渦巻きを廻っている。
祖父のギンガは光の6兆倍のスピード。
父のヒカリは光の10倍。
わたしは 音の2倍。
要するに「想い」のレベルとは、その「想い」の移動速度に比例するのです。
レベルの高い「想い」は非常に早い速度で移動できる。
わたしのように低いレベルの「想い」は、たった音の2倍でしか移動できない。
わたしが創った人間でさえ、音の10倍や20倍以上のスピードで移動できる乗り物を作っている。
そこが、わたしの最大の問題点なのです。
だから人間にしてやられるのです。
どうやら人間は光の速度が最高速度だと思っているようです。ということは、わたしなど全く眼中になく父、太陽の「想い」であるヒカリを目標にしているように思えてなりません。
それで苦労するだろうと予想していた父のヒカリはその経験を活かして、その後わたしの後に生まれてきた弟たちにはもっと力のある子供を創りました。
木星・土星・天王星・海王星・冥王星などは、先のわたしたち兄弟である水星・金星・地球・火星よりもはるかに大きな子供たちでした。
彼ら巨人惑星の弟たちの仕事は祖父であるギンガと父であるヒカリとの間での将来の大事な仕事をするために生まれてきたのです。
またすぐ下の弟である火星の「想い」の名前はイクサと言います。
わたしのように優柔不断ではなく、決断が早く行動も敏速で正義感が強く、気性の激しい性格です。
彼の力を最後には借りることになるのですが、わたしも神としてのプライドがあります。
なんとか自力で地球の秩序を回復しようと思ったのです。
「想い」のレベルとしてはイクサとわたしは同じ程度で、性格が正反対なので当初、父のヒカリは地球と同じような環境で相互補完してはどうかとアドバイスしてくれたのですが、イクサが同意しなかったのです。
今から考えれば、イクサの考えの方が正しかったように思うのですが、イクサは気分よく、人間という怪物を懲らしめるのに協力をしてくれました。
もともと、懲らしめる行為がイクサには快感を覚えるらしいのです。
正義感の強い性格が、短所でもあると本人も分かっているようですが、どっちみち完璧な「想い」なんてないのだから仕方がないと割り切っているようでした。
地球と火星とはそういった面でも今後、助け合っていくことが大事だと思うのです。
しかし、地球上では、ますます人間が殺し合いをし、そのことに麻痺している最悪の事態になってしまっていたのです。
それが、今わたしがいますこの時代の50年ちょっと前に、ヨーロッパから分かれ地球で一番ブイブイ言わしている人間が、この大事な地球のへその地にとんでもない罪を犯したのです。それがきっかけでわたしの「想い」の肉体である地球はその後ずっと彼等のいわゆる実験だという理由で苦痛を味っているのです。それが人間が犯した一番大きな罪だと思います。
それは、また後ほどの話で詳しく説明いたします。
ただ、ちょっと前に申しあげましたが、さすが重要なへその地だけにわたしが降り立ったとき、わたしも感心する人間がこのへその地にいたのです。
それだけがわたしの唯一の心の支えでした。