第五十章 反省の総括

地球上の人間がおりなすいろいろな問題点に気づいて地球に降り立ってから500年の歳月が経ちました。
テンシとの冷えた関係も、やはり親子です。わたしも妥協した点は多々ありましたが、彼も本人の性格から考えたら大幅な譲歩をしてくれたと思います。
たしかに、テンシの言う通り人間という生命体の複雑さを考えると最終的には月で生きる無機生命体かも知れません。いや多分そうでしょう。
しかし、今の地球にとって人間はやはり欠くことの出来ない生命体であることも事実だし、テンシもそれは認めました。
いい意味での人間という地球上の有機生命体が進化して、太陽系恒星群が星雲に成長し、惑星が恒星に成長し、衛星が惑星に成長していく中で、月がわたしの肉体である地球が太陽のように惑星群を持つ恒星になったとき月が現在の地球の立場である惑星になって、一歩進んだ無機生命体として惑星としての月の中心生命体になってくれるのがわたしのみならず父であるヒカリも兄弟のミズ、クウ、イクサそして父のヒカリと一緒に他の太陽系恒星と共同作業で新しい星雲を創造する使命を持った木星、土星、天王星、海王星、瞑王星たちも願ってくれていることだと思います。
ただそこまでに到達する道のりは長いし、いろいろな困難にも遭遇するでしょうが、通り過ぎて行かなくてはならない、避けて通っては行けない道だと思います。
テンシは月が惑星に成長していくための準備に集中し、人間の受け入れ準備もしておくと言っておりますので、これからはわたし一人で地球の面倒を見て行かなくてはなりません。地球を支配している身ですから当たり前と言えばそれまでですが、今まで父のヒカリ他兄弟や子供の応援を受けてきただけに、独りでやってゆけるかと聞かれると、はい、と自信を持って答えられないのが正直な気持ちですが、500年前に地球に降り立った時に比べたら随分わたしもいろいろ経験をして成長したし、自信もつけることが出来たことは確かです。
だから、これからは積極的に人間の進むべき正しい道を指導していきたいと思っています。
しかし、人間の方もわたしに頼りきるのではなく、神は全知全能などと思わずに、神よりも、ある面では人間の方が優れていると思って助け合って地球の成長に努力して欲しいと思うのです。
わたしには地球の「想い」という大きなエネルギーは持っていますが、人間のような精巧にできた肉体は持っていません。これは人間にとって大きな財産です。
人間の肉体は小宇宙と言われるように、非常に素晴らしい機能を持っています。しかも心というユニークな「想い」も持っています。この心を正しく使っていくならば、わたしなど神よりも遥かに優れた存在になり得る可能性を持っていると、これはわたしだけでなく父のヒカリも子供のテンシも言っています。
そのためにも、今までの間違った心の使い方をよくよく反省して、正しい心を育んでいって欲しいと思います。
わたしも影ながら応援してゆきたいと思っています。

「神の自叙伝」(反省編) −完−