第四十二章 殺戮のクライマックス(2)

アメリカと日本の戦争で、アメリカが日本に原爆を落としたのはテンシの仕業だと前に言いました。その理由はテンシらしい話しですが、あの学者を指導して宇宙の仕組みを教えたテンシは、どうやら将来人間を月に住めるようにするためにいろいろな法則、特に宇宙の法則性を伝授したようです。
特に「絶対宇宙」での一つだけの法則が地球レベルの個別惑星になると48個の法則に多様化していく。そして月のような惑星の衛星レベルになると96個の法則に分化していくと、ますます多様化して、ややこしくなります。そのややこしさを整理する理論が、あの学者があみだした理論なのです。
あきらかに月に住むようになると地球で住むよりももっと守らなければならないルールが増えるから、事前にあの学者を通じて人間に教えておこうとしたようです。
ところが、テンシが思ったほど人間の知性は進化しておらず、この理論を理解できる人間は少なかった、しかもその上に人間は悪知恵には長けていることを知らなかった。
この理論を悪用して原爆をつくってしまったのです。そして誰でもそうですが、凶器というものを持つと、その効果を体験してみたい誘惑に駆られる。挙げ句の果てに日本に実験のために落とした。
この学者は何を血迷ったか、アメリカの当時の大統領に原爆の開発を進めるように手紙を出したのです。日本に、ほのかな憧れを持っていたはずの学者が戦争をやっている時に、その相手の国の大統領に原爆を開発するよう提案すれば、当然日本に落とす危険性が一番強いはずです。しかし人間いくら知性が優れていても感情には勝てない。この学者の生地であるドイツでユダヤ人迫害をしていることに感情的になったのでしょう。ドイツに落とさせるつもりではなかったかとわたしは思うのです。ところがアメリカ大統領は同じ白人には決して落とさない。そりゃーそうでしょう、今までの彼らの思考回路を理解していたらドイツやイタリアに落とすはずがない。そしたら日本しかない。
科学者はこういった政治マインドには極めて幼稚なところがある、そこをうまく利用されたのです。しかもテンシが悪魔の罠を仕掛けている。
たしかに、人種差別する人間に対する憎悪がテンシの行動原点ですが、月の法則が地球よりも倍あるとますます複雑になっていくから、テンシの「想い」も非常に複雑なのです。
一番憎い人間に最も厳しい罰を与えるために、犠牲者がでることを気にも止めない、それどころか、罪の極大化のために地球のへそで、しかも父であるわたしの住む日本に原爆を落とさせる行為に出たのです。
わたし自身、このアメリカのやった行為に対してきっちりけじめを、いつかつけさせる決意は今でも変わりありません。テンシはそれを狙ったのです。複雑な「想い」です。
いっぽう、この学者はその戦争後10年ほど生きていましたが、まるで幽霊のような状態で死んでいきました。考えればテンシの罠とは言え、やはり感情的になると、こういった人間でもごろごろ、ころげ落ちてゆくのです。
いくら天才学者と絶賛されても、本人の心は地獄の底では何にもなりません。
この世的成功は、地獄の世界への登龍門です。みなさんも気をつけて下さいよ。
2発の原爆で犠牲になった人間の「想い」は計り知れないものがあります。
この世では、お金や地位でガードマンを雇えますが、肉体が死んで「想い」だけになるとお金も地位もまるで糞のようなものです。(すみません、つい下品なことを言ってしまって)
それよりも、喜びを与えることが大事です。恨みを買うほど愚かなことはありません。
はっきり言わせてもらいますが、わたしは何もテンシが言うような優柔不断ではありません。この地球の法則を知っているからこそ、まわりからは優柔不断に思われても我慢しているのです。やるべきときにはきっちりとやるのです。
ただちょっと時間がかかる。だからアメリカにはきっちりと反省を促した上でけじめをつけさせるつもりです。
しかしテンシのやることは、どぎつい。(すみません。「ど」だけ余分でした)
多分、どこかでほくそ笑んでいるでしょう。