第二十七章 非道の原因

地球観察の旅は、極悪非道を繰り返すヨーロッパの国々が最後でした。
アフリカのエルミナ城の衝撃は未だにわたしの「想い」に深く、しみついて離れません。
一体こんなひどいことをやっていることを、ヨーロッパの一般大衆は知っているのだろうか、それを確かめたかったのです。一部の支配者層だけが知っていることで一般は知らないはずだと自分に言いきかせてヨーロッパに入っていきました。
ポルトガル、スペイン、フランス、イタリア、ドイツ、オーストリア、オランダそしてイギリスと当時のヨーロッパをくまなく見てまわりました。
そして、彼らの極悪非道の原因がどこにあるかを突きとめたかったのです。
テンシはまたそんな軟弱なことを言っていては駄目だ、問答無用でやってしまわないと、そんな連中は性根から腐っている、それが原因で充分だと主張しました。
テンシの言うことも尤で、今までの結果が証明しています。
しかし、わたしにはどうしても納得がいかないのです。
気が良いと言われればそれまでですが、同じ姿かたちをした人間が、ここまでの非道をただ一部の性根の腐った人間だと言うだけで片付けていいものだろうか、と思うのです。
何か根拠があるはずだと思うのです。そのことを確かめたくてのヨーロッパ行脚の旅だったのです。何か悪魔の館に入って行く前のような緊張した気持ちでした。
父のヒカリがずっと昔、我々惑星の子供をたくさん創ったことは話ししましたよね。
今は9個の子供の惑星しかいませんが最初は1700以上の子供の惑星がいたと父である太陽のヒカリが言っていました。どうしてそれが今は子供の惑星ではなく、孤児になった迷星や遊星になって宇宙をさまよっているのか父に尋ねたことがあったのです。
そのときの父のヒカリが答えてくれたことが忘れられないのです。
彼ら迷星や遊星になった子供たちは宇宙の法則についての意見が違っていたらしい。
それぞれの太陽の子供である惑星には48個の法則があり、父の太陽には12個の法則があるらしい。そして祖父の銀河には6個、曽祖父の宇宙には3個、無限の絶対的存在には1個の法則があると言うのです。そして太陽と惑星の間に、全惑星群に関する24個の法則があって、彼ら1700個以上の子供たちは24個の法則を主張したらしい。
ところが父の太陽からしてみればいくら1700以上の星があってもそれぞれ別個のひとつひとつの惑星なのだから48個の法則に従うべきだと何度も言って聞かせたのですが、今の9個の惑星以外は徒党を組んで父に反逆したのです。それが原因で父の太陽は、これらの星を惑星から追放したのです。追放されても法則は法則だから、彼ら迷星も遊星も結局48個の法則に縛られていることが今でも解っていないで、太陽のまわりをうろうろさまよっているらしいのです。彗星もそのひとつだと父の太陽が言っていました。結局48個の法則通りにしか動けないから、決まった周期でやってくるのです。
わたしは、その父の話しから、ヨーロッパの人間たちもこの1700個の迷星や遊星たちの主張のような間違った考えを持っているのではないだろうかと思ったのです。
本来、すべてのものは自分一つの世界しかないという法則があります。ところがたくさんのものが集中したら、その独立性の法則を忘れて集中した、たくさんのものが一つの世界に共存している錯覚に陥る危険があるのです。しかししょせんそれは実体のない錯覚ですから、いつかは化けの皮が剥がれる。だけどたくさん仲間がいるという安心感があるから心地良いので、つい本質を忘れて「いつも、一緒に渡れば恐くない」ということになって、真理の先伸ばしをしてしまう。そして無意識のうちに法則から逸脱したことをしてしまうのです。
彼らヨーロッパの人間はその落とし穴にはまり込んでいるような気がしてならないのです。
どうしてそういった落とし穴にはまったのか、その原因をどうしても突きとめなければならない。
それを自分の目で確かめようと思っているのです。