第五十章(終章) その後のカインとアベル

ドクターやベンジャミンが言っていた通り、世界規模の大戦争ではないが、その後の世界で起きる出来事は、二十世紀がまさに悪魔の世紀であることを証明するかの如く展開されていった。
サリナスでのんびりと過ごしていたボブは、ジョンとキムの子,カインとアベルが立派な大人に成長し、聖書の通りにならず、お互いに、自分の道を選んで行く姿を見て安堵の気持ちだった。
「パパ、ママ。聖書のカインとアベルのような兄弟だった僕とジョンの若い頃だったけど、その子のカインとアベルは、聖書の作者が本当に望んでいたような、いい兄弟に育ったよ。やっと僕も、パパに無理やり聞かされていた聖書を、進んで読める気持ちになれたよ」
ジョンの家で、食卓に座って食前のお祈りの最中に、ボブは、両親のジェイコブとエバに話しかけていた。

−完−